年齢を重ねるごとストレスとの向き合い方が上手になっているような気がして、身体症状に現れていないのが幸いではあるものの、抱えているストレスの絶対量は今が人生で一番大きいかもしれない。影響力の大きいものから順に挙げると、ドイツのコロナ情勢、大学業務、南極旅行、論文とプロポーザル (研究計画書) の締め切り、などの心配があり、心配事ひとつひとつが足し算というより掛け算的に作用して認知資源を奪っている。
ドイツでは日に5万人を超えるコロナ新規感染者がでていて、毎週新たなルールが発令されている。昨年は経済活動を抑えて感染状況の収束を優先していたのが、今年はワクチンがあるので感染対策を講じた上で経済活動もやっていく方向に舵を切っているような印象を受ける。昨年のロックダウンと今年でどちらが過ごしやすいかは個人差がありそうで、自分は日に日に変わっていくルールを追ったり新しい手続きを行ったりというのが負荷で、昨年より疲弊している。
これまで勤めていた研究所は国際的なバックグランドが多彩なので英語でのアナウンスも同時に行われているし困ったときに相談に乗ってくれる人がいて助かった。一方で、大学はドイツ国籍の方が圧倒的に多く、度々更新されるルールもドイツ語で、尋ねても回答を得られなかったりするので、働くのは大変だなぁと思う。大学事務の方とのメールのやりとりも、相手はドイツ語で送って自分は英語で送って、互いにDeepLで翻訳して意思疎通を行うケースが少なくない。これは自分が早くビジネスレベルのドイツ語を習得しなければという結論にいつも行き着くものの、非ドイツ語話者に対する障壁を必要以上に感じ取ってしまい、率直な感想として、自分がこの社会に存在していても良いという自信をじわじわと削られるような感覚になる。
実は12月には南極に行く予定である。春頃に友人と予約して、12月にはコロナの情勢も落ち着いていているので大丈夫だろうと思っていたのが、ここ数日で厳しい状況になってきた。楽しみと不安が半々なのが正直な気持ちだ。ツアーはしっかり対策をしているし海外旅行保険にも入ったので現地で何かがあったときのことはあまり心配していないものの、入国制限が日々強化されており、無事に渡航できる確証がない。しかも自分はやや特殊なルートでフライトを予約してしまって、日本国籍を持つドイツ居住者がアルゼンチンに入国できるか、行きはカナダ、帰りはエチオピアで乗り継ぎできるかを出発前に十分確認する必要がある。特にエチオピアはオミクロン株以前に国内の武力衝突で邦人への退避勧告がでたのでフライトがなくなる可能性もある。帰れなくなったときは一旦日本に飛べばいいかなと思っていたのが、今日のニュースで12月末まで日本到着の国際線は新規予約ができなくなったことを知った*。航空会社の方に相談したものの渡航禁止令が発令されるまでは代替案を提示できないとのことだったので、念のため、直前までキャンセルできるアルゼンチンからドイツへの直行便を追加で予約した。
*12/2 追記: 要請は取り下げられた。国際線新規予約の一律停止要請取り下げ 国交省 航空会社に通知
この調子で心配事を書いていくとどんどん長くなってしまうけど、これまでに身に着けたうまくやっていくためのコツは、解決できるものから順に片付けていくことだと思う。冒頭で触れたとおり、自分にとっての心配事は掛け算なので、たとえ小さな心配でもひとつ存在すると他の心配事に作用して心配の総量が大きくなってしまう。まずは数を減らして、それから大きなものと向き合うのが良いと分かった。また、ヨーロッパは特に冬の短い日照時間や悪天候続きで健康に影響が出やすいので、晴れの日にしっかり日光を浴びることが非常に大事だと思う。今年は昨年に比べて健康的に生活できているのは、晴れの日は欠かさず散歩すると決めていることやビタミンDのサプリメントを飲んでいることのおかげでもある気がする。
12月は生活を優先して、無事に乗り越えたら仕事の方もやっていきたい。