組織を成功に導く人材として、「ビジネスセンス」「専門知識」「クリエイティブなエネルギー」「自分で手を動かして業務を遂行しようとする姿勢」を兼ね揃えた人たちがいる。この本ではそういった人たちを「スマート・クリエイティブ」と呼び、彼らにとって働きやすい環境とは何か、その環境をどうやってマネジメントすればよいかについて述べている。
スマート・クリエイティブについては本から(ほぼ1節まるごと)引用している記事があるのでこちらを読むのがおすすめ。Googleの現場には何が起きていたか。前CEOたちが語る「スマート・クリエイティブ」の成功論 - lifehacker 自分もやがてはこのようなセンスを身につけた人になりたいし、スマート・クリエイティブの働き方を尊重してくれる文化に出会えたらいいなと思う。
特に感銘をうけたのが**良い意味の“働きすぎ”**という節。社員に責任と自由を与えることで、社員が自分に最適なワークライフ・バランスを見つけ実現できると書かれている。
2012年にヤフーCEOになった直後に、シリコンバレーで最も有名なワーキングマザーのひとりになったマリッサ・メイヤーは、燃え尽き症候群の原因は働きすぎではなく、自分にとって本当に大切なことを諦めなければならなくなったときに起こる、と語っている。スマート・クリエイティブに決定権を与えよう。そうすれば、自分にとって好ましい働き方はどんなものか、最適な判断を下すだろう。 -- How Google Works
とても共感できる。自分はいま半年ほどいわゆるバーンアウトで体調を崩している。そのきっかけになった時期というのが、確かにやるべきことに追われてやりたいことを犠牲にし始めた頃だった気がする。時間は有限でありやるべきことを優先すべきなのは分かる。でもいろんなことに挑戦したい性分なのでついたくさん抱えてしまう。今の悩みは、多忙自体ではなく、やる気がでないことによるパフォーマンスの低下と、限られた時間内にタスクそれぞれに対して満足のいく成果が出せない葛藤にあると思う。この半年間でやるべきこととやりたいことのバランスは大事ということを痛感した。
話がそれたので元に戻そう。この本を通じて、ワークライフ・バランス、ナレッジマネジメント、コミュニケーションなど、働きやすい環境をどういう視点で見つけるか(あるいは作るか)ということを学んだ。もちろん、やや過酷ではあるが目標を実現するための近道になる環境もあると思う。今後就職するならばどのようなバランスでどういった職場を渡るべきか、選択肢になる一冊だった。