スケジュール調整にCalendlyを使う

学生との1on1をはじめ、ほとんどの個人間スケジュール調整をCalendlyで行うようになり、いろいろと良い変化があったのでその様子を共有する。CalendlyとはGoogle Calendarの空きから候補日時を表示して相手に選んでもらうWebサービス。相手が日時を選択すると自動的に予定が自分のカレンダーに追加される仕組み。基本機能は無料で使えるが、有料($8/month)機能には、スケジュール調整のプリセットを保存して複数のプションを提示したり、調整確定の自動送信メールの文面をカスタマイズする機能もある。

予定調整でメッセージを往復する手間を省ける

言わずもがなという感じだけど、相手の予定を聞いたりこちらの希望を伝えたり了承したりといったやりとりに割く時間と手間を省くことができる。特に自分はメッセージを開いたり返したりするのが人に比べてかなり遅い方なので、短縮される時間は大きい。メールとカレンダーを照らし合わせて都合の良い日時を選ぶ手間からも解放されるのは助かる。

ミーティングまでの障壁が下がる

ミーティング以前に「予定いつ空いてますか?」と聞くこと自体に遠慮を感じる場合もあると思う(自分もどちらかといえばそう)。受け持っている学生には「候補の日時は全部空いているので確認は不要で気軽に予約してOK」ということを伝えているので、進捗や課題があるたびに会って相談に乗っている。ミーティングの頻度や粒度の学生間での個人差がCalendlyを導入する前に比べて小さくなった印象がある。

自分の作業時間を意識的に確保できる

いつでもかまわずミーティングが入ると集中して作業する時間がとれなくなるという問題が発生する。これを解決するために、自分は作業に集中したい時間帯についてはあらかじめカレンダーに記入してブロック(Calendly上で選択不可に)するようにしている。今までは予定のない時間が作業時間だったので、ミーティングを優先して1日仕事した気分になってしまったり、作業時間が細切れになったり、といった課題に悩まされていた。ミーティングの予定を簡単に入れられるようにしたことで、逆説的に、作業に集中する時間を確保できるようになった。

作業やミーティングにかけた時間を見直せる

作業時間をカレンダーに記入する習慣がつくと、日々の作業量や生産性を定量化できるという利点もある。振り返りを目的に日々の行動を意識的に記録するのは難しいと思う。なぜなら行動の記録というコストを払ってから振り返りによってリターンを得るまでの期間が長いから。目先の利益のために行動を記録して、集まったデータから副次的に行動を振り返る形の方が継続しやすい、という気づきがあった。

Limitations and future work

すべてのスケジュール調整をCalendlyでカバーできるというわけではない。「いいですね、いつ集まりましょうか」みたいなメッセージの中で発生した調整だと、わざわざCalendlyのリンクを共有して入力してもらって...というより話して決めたほうが早い。あとは、遠い先の予定とか何曜日にといったざっくりした予定決めには適していないと思う。また、複数人のスケジュール調整にはDoodleや調整さんなどのサービス使ったほうがいい。

あったらいいなと思う機能は優先順位の表示。候補日時がたくさん表示されると、どれを選べばよいか迷うし、選んだものがお互いにとって最適な時間帯とは限らない。「このユーザは 2:00 pmくらいに集中力が下がるからその時間帯にミーティングを入れると良さそう」とか「タイムゾーン的に早朝・深夜は大変」とかコンテキストを汲み取って候補日時に優劣をつける機能があると面白いかもしれない。