コミュニケーションと悪意について

何もないところから人を嫌うのは難しい。多くのケースにおいて、人は誰々に何々されたことに対して (あるいはそう思い込んで)、その仕返しで悪意を上乗せしてしまうのではないか。それがラリーの間に雪だるま式に膨らんだ結果、本当に仲が悪くなるのではないか。とあるプロジェクトに火消しとして入って以来、そんなことをよく考える。

当時、あるメンバー同士が互いに非協力的な態度をとっていた。気になって話を聞いてみたところ、本当に小さな勘違い (実験装置の貸し借りに関する伝達) が原因で「相手は自分のことをよく思ってない/理解しようとしないからあれこれ (ディスカッションなど) に入れたくないんだ」と思い合っていたのだった。このケースは自分が当事者でないからこそ見つけられたものの、他の場所では自分も知らず知らずのうちにやってるかもと反省した。

これに対して自分ができることは、誤った含意をとれる発言をしないこと、相手の発言に余計な解釈を加えないこと、異変を感じたら早い段階で誤解を解くこと、だと思う。人を巻き込んで面白いことをやっている人はそのあたりのことをきちんとしているし、どのプロジェクトに入っても喧嘩している人は、話し方やメールの文体で自ら火種を作っている印象がある。

あとは新型コロナウイルスの影響。ドイツでは今のところ日本ほど話題にはなっていないものの、スーパーで買い物したりレストランで食事したりするなかで、厳しい対応をされることが稀にある。警戒されるのは仕方がないことなので気にしないことにしている。